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予備校生専用寮をトランクルームに活用!

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■ケーススタディその1
予備校生専用寮
鉄筋コンクリート4階建 54室 
築年約30年 エレベーター無
約5.5帖ワンルーム 共同トイレ・共同風呂
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場所は地下鉄北山駅、徒歩4分の好立地。しかし共同トイレ・共同風呂が今時の若者に敬遠されたのか、徐々に入居者が少なくなっていた寮の有効活用について、オーナー様から相談されました。
企業向けに社員寮として一棟貸しを目論み、市内中心部の法人企業数社に持ち込んでみたものの、いづれも良い返事は頂けず。
建物はまだ十分に使用できるし、何よりも立地が良いので、このまま使用する方法はないものかと社内で知恵を絞りました。

5.5帖の2室を1室に広げ、設備をリニューアルしてバス・トイレ付のワンルームに改築するか、鍵のかかる2室+バス・トイレ1箇所のシェアハウスにするか、又は簡易宿泊施設の様なゲストハウスにするか等、検討試算してみましたが、いづれのプランも中途半端で対費用効果が不十分、投下資本の償却が思うようにできない可能性がありました。




そこで、この建物を出来る限り現状のまま使用するという線からトランクルームとして貸し出すアイデアが浮上しました。ただし、
●高級住宅街という立地から、各宅の広さは十分であり、トランクルームのような余剰収納施設の需要は少ないのではないか?
●建物にはエレベーターがなく、重い荷物を4階まで運び上げるとなると敬遠されるのでは?

といった懸案事項も持ち上がりましたが、建物の耐久性、対費用効果などを算出し、オーナー様と納得の行くまで議論し、最終的にトランクルームで行こう!という結論が出ました。

その後、サービス面についてコストを考えながら、
●荷物の出し入れは24時間フリーパス(カードキーによる管理)
●ただし、安全面の確保から24時間の機械警備を委託
●換気のためのタイマー式換気扇を設置
●荷物の出し入れに負担がかかる4階の賃料は低めに設定
といった条件を決めていきました。

オープンしてみれば、当初見込み薄と思われていた地元からの需要が意外に高く、おかげさまで現在、全部屋満室、たくさんの方に予約待ちを頂いている状況です。

担当:狩野喜一