検 索
2010年10月25日 20:17 |

「千日回峰一日体験」

秋雨が降る一日となりましたが、皆さまにおかれましては如何お過ごしでしょうか?
さて、皆さま、「千日回峰行」という修行があることをご存知でしょうか?

 

先日、日頃よりお世話になっている仲間の皆さんと、比叡山延暦寺にて千日の内の一日
を体験して参りました。
最初は軽い気持ちで参加をしたのですが、道場につくなり、「私語を慎め!」
「動作を機敏に!」と、徹底的に強制され、次第に顔から笑顔が消えていきました。
そもそも、修行とは煩悩の内側にある、真の自分と向き合い、心と体を高めていくため
のものだそうで、日頃怠惰な生活を過ごしていた私には、大変辛い荒行でした。

 

特に、非食(食事)、沐浴(風呂)は修行の一つとされており、喋ることはおろか、
余計な音をたてることが一切許されておりません。
そうやって、日常の生活とは全く異なる緊張感極まりない環境の中に自分をおくことで、
徐々に心が静かになって参ります。

 

坐禅もその一つなのですが、全く無音の山の薄暗い中で「ひとーつ・ふたーつ・・・」
と心の中で数を唱えながら坐禅を組んでおりますと、如何に自分が小さい存在であるかを
思い知らされます。
また、私語を禁止されることで、一緒に参加した仲間とも離れて、真の自分と向き合う
ことが出来ます。

 

そして、いよいよメインイベントです! 夜中の2時に起床し、約37km、250箇所の霊地
の回峰です。真っ暗な山道を懐中電灯の光を頼りにずんずんと歩きます。
ハイキング的な雰囲気では決してなく、過去の自分、未来の自分といったように、歩き
回峰しながら、自分と向き合うことが課されます。
道中には、すぐ横は谷底で、人一人がやっと通れるような道も通ります。
また、京都及び、坂本、大津の夜景が見れるところも通ります。
当然、山あり、谷あり、舗装されていない山道です。
そうしていますと、不思議と周りの人のお陰で今日の自分があることを気づかされます。
麓の坂本の町に着く頃には夜が明け、軽く食事をさせて頂いた後、また着たみちを戻ります。
この戻りの道がかなりしんどいですが、最後には、根本中堂を始め、延暦寺の主だった寺院
をお参りさせて頂きます。
観光ではなく、修行の過程でお参りするお寺には格別の印象を持ちます。
(※ちなみに、「油断」とは1500年火を絶やしたことのない根本中堂の中にある鐘楼の灯から
きているそうです。)
回峰を終え、風呂に入り、掃除をし、朝食を取って、いよいよ解放です。
久々に、色々と心を揺さぶられましたが、修行を終えた後には何ともいえない爽快感が残りました。

 

体力に自信のある方、真の自分と向き合いたい方、ドMな方にはたまらない修行体験が得られる
延暦寺での修行、詳しくは下記HPをご覧下さい。
(※千日回峰体験行は荒行の為、HPには掲載されておりません。)
http://www.hieizan.or.jp/kojirin/kojirin.html

研修道場外観.jpg

 

狩野 一成

 

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